2023-03-23 ちいさな、小石よりちいさな砂利みたいな変化だけど
iPhoneの「歩行非対称性」でかなり高い数値が出ている(つまり左右の足均等に歩けていない)ことに驚いた。膝を怪我した一昨年の6月ごろには折れ線グラフが急に高くなっていたけれど、そのほかはほとんど0%、水平線あたりに記録があるのに。最近やや腰が痛いからだろうか?
1日の中での遷移を見てみたら12時あたりと22時あたりのグラフが高くなっている。よく考えたらご飯ができるまでは家でしかしない変な踊りを踊って家中をぐるぐる巡っているのでそれが反映されているのだった。
震災からのちの自分の活動や心の動きを痛烈に思い返さずにはいられないであろう、だけど、だからこそいつか読まなければと思っていた本。
予想していた以上に自分の状況を思い起こす部分もあったけれど、でももちろん、関わる人の数や金額や責任の規模がかけ離れたものであるし、いくつもの困難から今の運営を積み上げているという点でそもそも私のこととは比較にならないのだった。
読む前には考えなかったことだが、もしかしたら2000年代に同じくらいの年齢、あるいは立場で(つまり社会的な責任を引き受けはじめるような)当時のインターネットの流れに新しい可能性を見出し、2011年の震災で何か大きく舵を切り直した人のなかには、状況は違えど同じような過程を踏み、困難に直面し、絶望感を抱いたひとが少なからずいたのかもしれない、ということを思った。
ゲンロンは、ネットの力を信じることで始められたプロジェクトです。けれども、企業したあとは、ネットの力はどんどん信じられなくなっていった。その間で苦闘してきた10年でした。
インターネットという新たな手法を導入してこの世界できっと豊かで楽しいことができる、そう夢みながらも、まさにそのインターネットが変化させていった社会や人のありように戸惑ったり、失望したり、なにかを諦めたりした、そういう心の流れには覚えがある、と思うような本だった。
この本を実際に手に取ろうと思った時点で私の中で何かが変わっていたんだなということを、読み終えてしばらくしてから気づいた。
多分10年後に読んだらまた色んなことを考える。どんなことを考えるかが楽しみになるように過ごさなきゃ。
高野秀行さんの書くものはみんな好きで、著作の半分くらいは読んでいるんじゃないかな(数えてみたら16冊だった)。 「フランス語ができない」などと長年うじうじしている自分などばっさり切り捨てたくなるような面白さ。人間やるときはやるもんだ、それでしかない。というところで動いている人に弱い。